2008年02月20日

『世界屠畜紀行』

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『世界屠畜紀行』作・内澤旬子

宝物にしたい一冊です。

著者ウチザワは屠畜に興味を持ち、
日本はもちろんの事、世界の屠畜場を巡る旅の記録。

日本では、屠畜業は差別対象になることもある。
「こともある」と表現すれば、実際よりすごく弱めてしまうだろう。
差別を生んだ歴史を、この現状を
内澤さんは嘆く。
「みんな肉をおいしく食べるのに?」

これは日本に限る事だろうか。
ウチザワさん、自らその眼で確かめにゆく。
行動力満点、好奇心旺盛、
そして誰よりも「おいしく肉をいただく」ことの出来る人である。

その精神、読んでいてすごく気持ちがいい。
風通しがいいとも言えそうです。

この本を読むまで、自分の中にジレンマがあった。
「いままで肉を食べてきたけれど
 正直なところ自分の手で
 切ることはできないだろう
 それって肉をいただく資格ないかも

   ・・・ビーガンになるべきだろうか」

ビーガンになるべきかもしれない
そう思いつつ、それが最高の答えでもないような気もしていた。

私の場合 屠畜業の人にたいする差別は
少なくとも意識界の中には 持っていないつもりだ。
しかし大学での解剖実験で「無理だ」と思い知ったんである。

ところがこのウチザワさん、
正義感をもって世界をまわるというより
ホントに楽しんで屠畜をみてまわっているんである。

なるほど。

読めば読むほど
しみ出る肉汁のようにうまい
屠畜の技術!
そこには必ず「熟練技」があったのだ。
伝統芸術と言ってもいいんじゃないだろうか。

そして、その見事な腕を
ウチザワさんはスケッチで私たちに示してくれる。
さらに楽しい。

差別をなくせ
そのためには差別者を非難するより
被差別者の、真の魅力を等身大で示すのほうが
いいのかもしれない。

いまとなっては、
東京へ行けば芝浦屠場へ行ってみたいし
世界を旅するときも屠畜場が気になりそうだ!
「こわい」よりも「技をみてみたい」のほうが強くなったというわけ。

そして
野菜も肉も食べ続けよう。
おいしく、丁寧にいただきましょう。

迷いのあった自分の中で
ずどーんと筋が通った気分だ。いい気分♪
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posted by 苺 イチ恵 at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ウの作者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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